ジャニオタがノリで富士登山した話①(準備~1日目編)

なんやかんやあって私は富士山に登ることになった。


全くの初心者で、そもそも山に登ったことはないし、長時間歩き続けたこともないし、フルマラソンもしたことはない。

ただ、頭の片隅に昔ラルクhydeさんが(多分虹あたりの時)Mステに出たとき、いつもの格好(ライダースみたいなんだった気がする)で登ってた写真を披露してタモリさんに「こんなのでよく登ったね」って言われてたのを思い出して、『まぁ、あれでも登れるしな』という気持ちはあった。


イメージといえば舞祭組のアルバムについてた特典の中で4人が4ルートで富士登山するというもので。

最近は地球が異常だし『やっぱいつ噴火するかもわかんないし登っておきたい』気持ちもあった。大げさだけど。結果的にこれが登るきっかけになった。大げさ。


ルートはもちろん横尾さんと同じ吉田ルートにした。

吉田ルートは最も多くの人たちが選択する登山ルート。子供から高齢者まで登ってるらしい。横尾さんだって、あんまり休憩もせずに4人で一番早く登れている。(8合5勺からえらい怒りながら登ってるけど…)


決意したあとは、登ったことある山好きの友人に「登りたいんだ~」と相談してみるところから始めた。経験者には「富士山なんて最も登りやすい部類。みんな登るんだから。情報も集めやすいし、準備もしやすい。もっと危険な山が日本にはたくさんある!」と言われた。登ったことある他の人も「大変だったけど良い思い出になった。また機会があったら登りたい。」と結構な割合でまた登りたいと言っていた。まぁ確かに日本一の高さとは言え、だからこそみんな登るんだからある程度整備されて怖い思いとかはないんだろうな、と納得。

私はまずはツアーを予約することにした。さすがにガイドさんとか、一緒に登る人いたほうが良いだろうなと。何より、まずは関西から山梨県まで行かないといけない。基本はバスツアーが多いようだった。夜行バスで行って朝着いて登り始めるものと、日中のバスで行って夕方から登り始めるものと、様々だった。私は夜行バスでちゃんと寝れた試しがないので、睡眠不足で富士登山とか死を意味するだろうと思い、朝出発するバスにした。さらに高山病も心配だし、頭が痛くなると謎に歯も痛くなる体質なので、一気に登らずゆっくり登るプランにした。怖がって怖がって2泊3日かけて登って降りてくるやつにした。『高齢者や体力に自信のない方におすすめ!』と言葉が添えられていた。

次に道具。私はそらのした【https://www.soranoshita.net/sp/】さんで全部借りた。何揃えれば良いかわからない上に、もうこの一回で山には二度と登らないという結論を出す可能性だってある。それにしては登山道具はなかなかに高価だからだ。しかもここはグッズの色とかメーカーを希望できる。もちろん、お目当てのものが来るかはわからないが、第三希望まで聞いてくれる。私は横尾さんとお揃いのmont-bellのオレンジレインウェアが着たらいいなーとか、リュックはグリーンがいいなーとか思いながら選んでいった。(この作業めちゃくちゃ楽しかった)

ここで借りれたのは、

レインウェア、ザック(山用のリュック)、ザックカバー(雨降ったらザックにつける)トレッキングシューズ、スパッツ(靴に泥とか入らなくするやつ)、ストック、ヘッドライトの7個。

これで出発前日に自宅に配送してくれて16000円くらい。買うことを考えたらだいぶ安い。


次にユニクロとかH&Mとか100均とかスポーツショップとかで必要なものを追加。とにかく速乾性の長袖のアンダーウェアとレギンス3枚ずつ、軽くて小さくできるパーカー、スポーツ用のサングラス、登山用の靴下、膝のサポーター、滑り止めがついてる手袋、酸素も2缶買った。日焼け止めはアネッサ。あと、上で相談した友人からハイドレーションだけは必ず買えと言われたのでハイドレーション(リュックから管を出して吸えば手軽に水が飲める)もネットで購入。


あとは当日までスクワットしながら筋トレ。ジム行って持久力をつけたりもした。(といってもせいぜい30分とかしか走ってない)


前日に登山グッズが届き、ザックに詰める。詰めようとするものが多くて全然入らない。たくさん紐がついていて用途が全くわからない。ハイドレーションをセットするところがどこかわからない。ストックはどこに挿して持ってくの。本当にこれだけでいいか不安。バンギャでジャニオタだから全国各地に遠征するとはいえ、私はわりと軽装で、なんかあれば買えばいいやの精神で生きてきた。なんなら着ていった服が気に入らなくてポルタ(京都駅地下街)で買い直して着てきた服を全部捨てる女だ。(またそれは別の話)

絶対に忘れ物は許されない。

結構何回も着替えるのかなと思って、着替えをたくさん入れていたので、100均で買った衣服圧縮袋が重宝した。ザックの謎の紐の使い方はTHE NORTH FACEの公式YouTubeで見たらなんとなくわかった。ハイドレーションを入れる場所もなんとなくおさまりのいいポッケに入れた。管の前への回し方はよくわからず適当になった。

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なんやかんや格闘して早めの就寝。ただでさえ、血中酸素濃度が減少するんだから睡眠不足は死を意味する。とはいえ、あまり熟睡できず…。


当日朝、バス乗り場に集合。

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8時台に出て、途中のパーキングでいろいろご当地のものを食べながら静岡の長さを思い知らされながらバスに揺られること6時間。バスの中でも富士登山についての注意点をいろいろとレクチャーしてもらいました。

16時ごろ、5合目に到着!

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5合目はすごく開けていて、海外の方が観光で来ていたり、こどもたちが遊んでたりと山頂まで行く人ばかりではなかったです。天気は快晴。今から登る富士山が綺麗に見えます。不思議なことにそんな高く見えない。


レストハウスほうとう鍋が出ました。これが夕食。

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1時間半くらいうろうろして体を高地順応させるらしいので、いろいろおみやげとか見て、横尾さんがいたスバルラインの看板と記念撮影してるうちに出発時間に。

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ツアー参加者は36名。私が一番若い、というか、ほぼおじいちゃんとおばあちゃん。さすが2泊3日のツアー。登山には富士登山ガイドが3名。めちゃくちゃたのもしい。ひとり一人に声をかけてくれていて、私も声をかけられ『初めてなのですが大丈夫ですかね…?』と挙動不審で聞いたのにも関わらず「一番ゆっくり登る初心者向けですから!大丈夫!楽しく登りましょうね!」と笑顔で言ってもらいました。いい人。

富士山は雲もなく快晴。ザックの背負い方、ザックの紐の調整の仕方、トレッキングシューズの紐の結び方、ストックの長さの調整と使い方などを教えてもらう。これ知ってると知らないじゃ全然違うのと、ネットでいろいろ読んでるだけじゃわかんないことだらけでした。ありがたや。


1日目は5合目~7合目まで登ります。

スタート時は当たり前ですが超元気。景色を見ながらのんびり歩きます。この時点で雲は下に。

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感想『ラピュタやん。』

吉田ルートは開始早々下りに。登り始めたのにすぐ下る。なんでやねん、と思いながら。5合目から6合目までは比較的平坦。ただの山登り。軽装で散歩してる人も。6合目からは樹林帯で少し傾斜が。全然大したことない。

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徐々に日が暮れてきて、7合目の手前でトイレ休憩。私はトイレに比較的たくさん行く薬を飲んでまして、いろいろ心配でしたが、富士山にトイレはめちゃくちゃあります。下山は少ないですが、上りは全く問題ありませんでした。

ここでヘッドライトをつけて日が暮れてからの登山に備えます。ヘッドライトないとか、ヘッドライトの電池がなくなりかけてて光が弱いとかは死を意味します。7合目の最初は蛇行する砂礫の道。正直、景色も暗くなって、疲れてきて結構しんどい。

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富士吉田市の夜景がはるかむこうに。

でも星がめちゃくちゃ綺麗で、カシオペア座や北斗七星(7つとも見えた!)、北極星があんなにくっきり見えたのは初めてでした。火星が最も地球に近づいた日でもあり、木星土星も。ガイドさんが丁寧に星座を説明してくれます。すごい知識量。

一緒に行った後輩に『北斗七星はあの星が横尾さんでね…』と赤い果実の冒頭の振りつけの話をする余裕はあったからまだ私も多分余裕があった。(この後輩はスーパーいい子なので、いつも黙って横尾さんの話を聞いてくれる)

問題は6合目後半から出てくる岩場!!!!

マジで岩場。

真っ暗な中、足場をヘッドライトで照らしながら登っていくのも怖いし、上から人が落ちてきたら私も落ちる。前の人のストックも怖い。手を使わないと登れないとこもあったりして。マジで岩登り。聞いてない。予想外。坂じゃない。岩。

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もちろんこっちは命がけなので写真などありません。気を抜いたら滑落する。

これ、グーグルアースのスクショ。

これを暗闇の中登ります。もうやるしかないので、登りましたけど、岩登りしたことないから事前に岩登りのある山で練習しとけば良かったと強く後悔してました。頭の中で何故かキンプリのシンデレラガールがずっと鳴っていました。もしもボクに魔法が使えたなら7合目超えて山小屋に行けるのにーーーーーー!!!!


今日仮眠を取るのは7合目最後の位置にある東洋館さん。あとで調べたら富士山で一番リッチな山小屋なのね。東洋館に登る岩場が特にしんどかった。横が崖の細い通路とかあるけど、もはや高さにはすっかり慣れており前に進むことに必死。高度3000mなこと時々忘れるけどすぐ息が切れる。これ暗闇だったから景色が見えなくて高度がよくわかんないからまだマシだったのかもしれないなぁ。


そして22時ごろ、東洋館到着。

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着いたー!!!!岩場終わったー!!!生きてたー!!!!達成感よりももう岩場が終わったことの嬉しさ。意外と身体は大丈夫です。

とてもきれいな山小屋です。ここで寝袋で寝ます。となりの人と折り重なるかの勢いだけど、寝返りくらいは寝袋の中で打てるくらい寝袋がでかい。320人が泊まれるらしく、それぞれのプランで皆さん寝起きされるので耳栓は必須。みんな疲れてるしいびきがすごいし。旅行会社のはからいで知らない男性が横に来ないように配慮してくださってましたがめちゃくちゃ周りに人間がたくさんいる状況はカオス。狭いところが割と好きなのでそんなに思ってたほどではなかったかな。

正直服を着替えてる余裕も場所もないので、顔をふくのがせいぜい。とりあえずもうそのまま無事、就寝。起床予定時間は3時。

おやすみなさい。